ペギーの居酒屋 喜多嶋隆

ハワイ生まれのハワイ育ちのペギーが料理をふるまう「休」という居酒屋が舞台。日本の広告代理店に就職するが、データ改ざんを要求する上司やその待遇に疑問を抱き退職。住む場所を探していた時にひょんなことから千駄木にある潰れかけの居酒屋で働くことに…

まぼろしのパン屋 松宮宏

3つの短編。パン、ホルモン、姫路のおでん、食べ物をテーマにしながら描かれるヒューマンストーリー。主人公たちもどこかで見たことがありそうな市井に息づく人たちでドラマチックな物語の展開はないが、逆にそのことに好感が持てる。なんかこんな感じで人…

ヒーローインタビュー 坂井希久子

将来を期待されて阪神タイガースに入団しながら、なかなか結果が出せなかった仁藤全という主人公について、彼にまつわる周囲の人々へのインタビューでその人柄を浮かびあがらせる。現役バリバリで活躍することはなかったが、彼の親しい人たちの中では間違い…

七つの会議 池井戸潤

利益を上げるための、品質の軽視。1つのネジを発端としてその背景にある企業文化があぶり出されていく。一人の人間の中でも良心の葛藤があるように、一つの会社の中でも告発したいものと、隠蔽したいものの葛藤があった。池井戸さんの他作品に劣らずテンポ…

勇者たちへの伝言 いつの日か来た道 増山実

現在はショッピングモールとなったかつての西宮球場と、そこを本拠地としていた阪急ブレーブス、そしてある夜の試合を中心として物語は展開していく。50歳となり、父の生きた年齢を1つ越えた主人公は聞き間違えのようなイツカキタミチというアナウンスに導か…

昨夜のカレー、明日のパン 木皿泉

まず、単純な感想としてすごく良かった。大好きな本。若くして亡くなった一樹。一樹が亡くなって以降も妻と義父が続ける同居生活。二人は一見穏やかな日々を過ごしているように見えるが、その内面では一樹が亡くなったことから前に進めず、でもこの心地よい…

この悔しさは忘れない

この悔しさは忘れない。32年の人生でこれだけ大きなチャンスはなかったし、これだけトライしたいと思ったことはなかったし、これだけ何かものごとを欲しいと思ったことはなかった。今まで積み重ねてきた経験や自分自身が取り組んできたことはこのチャンスに…

狭小邸宅 新庄耕

不動産販売業の主人公が自社や業界への嫌悪感?辞めたい願望を抱きながらも、ある先輩との出会いをきっかけに、自分自身もあちら側の世界にのめり込んで行く様を描いた作品。厳しいノルマ、上司からの制裁、長時間労働、、、それでも自分の置かれた環境に、…

神々の山嶺 夢枕獏

カメラマンの深町はエベレスト登頂を目指すが、仲間二人を亡くして失敗に終わった。消え入りそうな山への想いと、山に焦がれる気持ちが交錯する中、カトマンドゥで、偶然手に入れた古いカメラを巡って、新たな物語に巻き込まれていく。カメラは1924年にエベ…

天空の蜂 東野圭吾

自衛隊に納品予定だった最新鋭のヘリが何者かの手によって、盗難に遭う。遠隔操作されたヘリは愛知から北陸に向かい、ある原子力発電所の直上でホバリングする。犯人からの犯行声明は日本中の原発を止めること、さもなくば、ヘリを墜落させる。しかし、犯人…

上機嫌のすすめ 武田双雲

上機嫌という言葉の反対は下機嫌ではなく、不機嫌。機嫌にはマイナスカウントがなく、不機嫌はいつでもゼロ。数で言えば機嫌はいつでも1から始まる正の数だから、いくらでも上に積み重ねることができる。機嫌そのものがすでにポジティブ。という考え方のもと…

ちょっと今から仕事やめてくる 北川恵海

ブラック企業で働く青山、日々の辛さから、いつの日か自殺を意識するようになっていたが、ある日出会った同級生のヤマモトのおかげで少しずつ、彼の生活は変わっていった。ヤマモトは土足で、他人の生活に踏み込んでくるようなタイプの人間で、青山にあれや…

今さらながらに

今さらながらにブログ開設してみました。昔、書いていたブログは、いつの間にか、書くのをやめてしまい、サイトも開かなくなってしまいました。なんとなーく書いてみたくなったので、まあ、そうならない程度には更新しようかな。