ペギーの居酒屋 喜多嶋隆

ハワイ生まれのハワイ育ちのペギーが料理をふるまう「休」という居酒屋が舞台。


日本の広告代理店に就職するが、データ改ざんを要求する上司やその待遇に疑問を抱き退職。住む場所を探していた時にひょんなことから千駄木にある潰れかけの居酒屋で働くことに。


居酒屋を舞台にしながら、家族が再び出会う物語だと思った。

ペギーの母は18歳で日本を飛び出しその後29年間帰っていない。祖父とはケンカ別れのままだ。

様々な出来事がペギーと祖父母、母の気持ちを解きほぐしていく。


誰しも、家族にあの時あんなこと言ってしまった。あれってずっとあのままだよなー。みたいなことがあるかもしれない。案外そういうことって解消するタイミングを逃して、そのまま硬直したまま何年も経ってしまうのかもしれない。


それでもどこか深層のところに細く、それでも強く繋がっている絆を感じた。


天ぷらがその絆かな。


出てくる料理が美味しそうでこんな居酒屋があったら行ってみたいなー。